バイクに寄りかかる良壱は、まだあたしより背が高い。

「…ヤバい。」

口を開く良壱。

「何?」

「学校行きたくなくなってきた。」

あたしは眉を寄せた。

「何故?」

その質問に、答えてくれはしなかった。

庭に蝶々が飛んでいるのが見えた。





「…那瑠。」

「何?」

「進級祝いにどっか行くか?」

「良壱の場合、留年祝いだよね。」

「…道端に捨ててくぞ。」

「嘘です。」

「で、どこだよ?」

「良壱と一緒なら、どこでも良い。」






 Darkness Butterfly
【END】