「どこ行くの?」 「医者。」 「やだ!」 あたしはバイクから遠ざかる。 「何子供みたいな事言ってんだよ。早く乗れ。」 美形な顔を歪めて、言った。 「やだやだ。」 医者は嫌い。 大嫌い。 「乗れ。」 手首をグイッと掴まれてバイクの後ろに跨る。 ギュッと目を瞑った。 良壱のお腹に手をまわした。