話す時が来たんだと思った。 「…家族の話。」 ピクと、良壱の手が反応する。 「食ってろ。外行ってくる。」 耳元で声が聞こえた。 「あぁ、うん。」 夏弥の声がして、あたしは腕を引っ張られて立たせられた。 店の裏に出た。 夜ならこういう所って、ヤンキーとかが、たむろしてるけど、一人もいない。 良壱は青いベンチのような物に座ると、あたしを引き寄せた。 あの時と同じ格好。 人生二度目らしい告白の時と同じ格好。