その時から、あたしの涙腺は壊れていた。 良壱が隣に座ってあたしの髪の毛を弄っていた。 あたしはテレビがCMになったら、良壱の方を向いた。 頭を引き寄せられて、唇を塞がれた。 「…那瑠。」 「ん?」 「…なんで泣いてんだ?」 あたしは目を開く。 何を言ってるの? 「…泣くんじゃねぇ。」 甘い響きが聞こえる。 「…うん。」 言葉とは裏腹に、あたしの頬には涙が流れる。