あたしが眠っていたあの場所は、良壱の部屋だったと思う。 廊下をフラフラしていると、曲がり角から人が出てきた。 「…あ、那瑠さん、ですよね。」 いきなり向日葵のような笑顔を向けられて、戸惑う。 しかも、この人…。 携帯ショップで良壱と並んでいた…。 「い、妹!?」 「はい。夏帆(カホ)って言います。」 夏に帆。 夏弥と同じ字が入っている。 「良壱お兄の彼女さんですよね。」 その言葉に少し安心した。