海は良い彼女を掴んだと思う。

そして、ひとつ思う事があった。

「…怖くないの?」

掠れた声で聞く。

「え?」

「…血まみれのあたし見て怖くないの?」

少し間が開いた。

「…怖い。足が震えて、さっき血まみれの那瑠ちゃん見て、本当は近づくの拒もうとした。」

「……。」

「でも、海を助けてくれた人だから…」

足から力が抜けて、シャッターに体をぶつけた。

「那瑠ちゃん!」

…その言葉を最後に、あたしは気を失った。