携帯、どこにやったかな。

足元を見る。

見つけたけど…あれはぶっ壊れてんな…。

「その前に土下座させろや。」

息が整ったあたしに、一人の男は言った。

「…あぁ?」

低い声で威嚇する。

腕を掴む手が背中に回って、地面に押し付けられた。

顔を打つことを未然に防いだあたしは土下座の恰好になってしまった。

なんかそれがシャクに障った。

背中を靴で踏まれる。

「…“青い鳥”も落ちぶれたものね。」

“アカリ”が言ったセリフをそのまま、言う。

「あ?」

あたしは髪の毛を引っ張られる前に、顔を上げてやった。