でも、だから、か。 鈴は良壱と夏弥の何を知ってるのかもあたしには分からないけど。 あたしの前で、二人の何かを話す事が許せない。 苛つく。 どうしようもなく苛ついた。 二年前のあの時は、冷静だった。 今は? 何故か、驚くくらい、カバンを持つ指が手に食い込むくらいに苛つく。 どうしようもない怒りが向かった先は…。 「その二人、異母兄弟なのよ。」