「で。何知ってんの?」 あたしは前に立って、問いかける。 「お前が、変わったってこと。」 淡々と述べる。 「そんなこと…。」 「変わった。さっきもそうだったけど、やられてやり返そうともしない。」 そっか…。 あたしは変わったんだ。 “闇の蝶”を隠して、どんなにやられても、やり返さないと決めた。 「男でも出来たのかよ?」 良壱は向かいのテーブルに座って、あたしの襟元に手を伸ばした。 くいっと首が前に出る。 ネックレスを指に引っかけられた。 ゴールドのチェーンのネックレス。 「まさか。」