「じゃ。」 夏弥は玄関先で手を振った。 え… ここ夏弥の家じゃないのっ!? 「ん。」 良壱が返事をすると、バイクのエンジンがかかる音がして、夏弥はいなくなった。 「新月。」 良壱は呟きながら、空をみた。 本当だ…。 月が出てない。 あたしは先に入ってしまった良壱の後を追った。 黒革のソファーに座っていた。