良壱の首は熱かった。

あたしの体も同じくらい熱いに違いない。

でも、あたしの三大本能のひとつ、睡眠があたしを襲った。

「…那瑠。」

「何?」

耳元で、声がする。

「眠いとこ、悪いが。」

良壱が謝るなんて、すごく珍しい…なんて。

思えたのは、ほんの少しだけだった。

「お前、家族は?」

これからあたしが言いたくない事だからだ。