不意な言葉に蓮は問い返すも、自分の親指はパワーボタンを押していて、通話は途切れていた。

気味が悪い…。


行ってらっしゃい?誰なんだ…。


親は両方他界し、祖父母と縁を切り一人暮らしを始めた蓮に今や行ってらっしゃいと言う人間はいない。


なら…、やはり悪戯なのか?


携帯の着信履歴にある見た事のない電話番号を見ながら、蓮は生温い吐息を吐き、照り付ける太陽に目を細めた。


然し其処まで深くは考えず、蓮は大学の駐輪所に自転車を止めて職員室にへと足を向けていた。
その時…、再び携帯が振動し、新着メールという文字が蓮の目に止まった。


何故だろうか…。


自然と心が焦り、新着メールの内容を開いた。


件名「エントリー完了」


─…今回はエントリー、誠に有難う御座います。
只今、全国の参加者様を集計中ですので、一回戦目の要項は暫し御待ち下さい。
尚、其までに最初に配布致しましたメール内容下部に書かれています"ルール"を良く御覧下さいませ。
生死に関わります故、見落としのない様、御確認下さい。
それでは次のメールを御待ち下さい。…─



「エントリー…?何だよそれ…。」


メールの本文の意味は正直理解が出来なかった。


この時は…。