「これが、凛のお嬢様に対して思っていることです。」


「…凛…」


私には、

私を知っていてくれている人が、ちゃんといる。


「お嬢様は、変わるのですか?」


凛は私に視線を合わせた。



「…変わりたいの…。」


…小さく、小さく、呟いた。



「なら伝えなければなりません。自分の気持ちを。
そして聞かなければなりません。他人の気持ちを。」



「変わるかな…。私が、変わったら、お父様も…変わるかな。」



変わってくれると思う?


だって、私だけ変わっても意味がないでしょう?



今が、変化するの…?



「…変わる、かもしれませんし。
変わらない、かもしれません。」




凛は小さく、呟くように言った。




「…でも、詩依良が変わることで何かがきっと、変わるよ。



何か、きっと変化する。」



凛は私の目の前まできて言った。






「詩依良が変わることで、
きっと、何かが始まるよ。」