「私?」 「そうだよ」 だから驚いてたのか。 彼女の目の前にしゃがんだ。 また彼女は驚いた顔をする。 「なんでこんなとこいんの?」 警戒しているように見えたから 笑顔で話しかける。 それでもその表情は、 変わらなかったけど。 「家出したから」 「行くとこねーの?」 そう聞くと、少し間を開けて、 「うん」 と返した。