「…早く出ないと有紗が。」


『あ!!そうだった…。忘れてた。』



…匂いなんて置いといて。有紗の電話に出なくては…。



『…はい。』


《あら、やっと出た。ちゃんと明と校門にいる?》


『うん。いるよ?有紗達は?』



そう続けると、電話の向こうから、ふふっ。と有紗が笑った。



《ごめんなさい。みんなで先に帰っちゃったわ。》


『へ?』


《だから明と仲良く、帰ってね?》


『はい!?意味が分かんな…。ちょ!?』



“仲良く”の所を強調して言ってきたと思ったら、ブチッと音がして通話が遮断された。



そ、そんな…。