会社を出てからバス停まで会話は無かったが、それでも幸せな時間。
想いが通じる事がこんなに嬉しい事だと思わなかった。
バスが来ても握ったこの手を離したくない。
仕方なく離した手に寂しさを覚え、思わず涙が出そうになった。
「それじゃあ、お疲れ様でした。」
涙を我慢して振り絞る様に言いバスに乗り込もうとする私の背中に、ヤナギさんの声が投げ掛けられた。
「明日、どこか出掛けようか。」
嬉しい誘いに思わず子供の様に反応する。
「はい!」
振り向いて返事をすると、そこにはにっこり笑うヤナギさん。
その笑顔を見て、同じ様に私の顔にも笑顔が浮かぶ。
明日になれば、ヤナギさんがまたこの手を握り締めてくれる。
握られれば、握り返そう。
言葉には言葉で返そう。
私たちはまだまだ始まったばかり、握った手を離さず一緒に歩んで行こう。
一人で乗ったバスの中、自然と緩む頬を気にする事なく私は想った。
………おわり………
想いが通じる事がこんなに嬉しい事だと思わなかった。
バスが来ても握ったこの手を離したくない。
仕方なく離した手に寂しさを覚え、思わず涙が出そうになった。
「それじゃあ、お疲れ様でした。」
涙を我慢して振り絞る様に言いバスに乗り込もうとする私の背中に、ヤナギさんの声が投げ掛けられた。
「明日、どこか出掛けようか。」
嬉しい誘いに思わず子供の様に反応する。
「はい!」
振り向いて返事をすると、そこにはにっこり笑うヤナギさん。
その笑顔を見て、同じ様に私の顔にも笑顔が浮かぶ。
明日になれば、ヤナギさんがまたこの手を握り締めてくれる。
握られれば、握り返そう。
言葉には言葉で返そう。
私たちはまだまだ始まったばかり、握った手を離さず一緒に歩んで行こう。
一人で乗ったバスの中、自然と緩む頬を気にする事なく私は想った。
………おわり………



