「また蚊帳の外か」

僕は正座をしている足を崩した

学生鞄を引き寄せると携帯を出した

莉子と約束をしていた

家についたらメールをすると…

自分の家じゃないけど

兄さんのアパートだけど

今日はここに泊るから

午後11時

『家に着いたよ
これから風呂入ってくるね!』

ごめんね、莉子

僕は一人じゃ、何もできない

莉子を苦しめた奴らを、叩きたいのに、僕の手で傷つけることができない

…ごめん

「これも必要ないね」

僕は携帯を開くと、アドレスを眺めた

レミの携帯アドレスを削除すると、僕は出て行ったばかりの兄さんの携帯を呼び出した