「宏之、来てたのかい?」

祖母が奥から姿を見せる。

「ばあちゃん!何で美依が居んの?!いつ来たの?!いつまで居られる?!」

宏之は柏餅にかぶりつきながら祖母に言い寄る。
「そう言う事は美依ちゃんに直接聞きんさい。」

そう言われ、宏之が私の方を向く。

「美依!いつ来たん?!」

「さっき。」

「何で居んの?!」

「なんでも。」

「いつまで居られる?!」

「夏休みの間。」

よっしゃあっ!!宏之は何が嬉しいのか、ガッツポーズをするとまた私の方を向く。

「いつもよりたくさん遊べるな!!」


一瞬、宏之が犬に見えた。


「何で?」

「昔は美依一週間しか居なかっただろ!」

そう云えば、こんなに長く祖母の家に居る事になるのは初めてだ。

でも、疑問がある。

「何で宏之そんなに嬉しそうなの?」

そう問えば、笑顔でこう言った。