何事か、と前の方を見たら誰かがうずくまっていた。 女子生徒の一人が 「先生ぇー、吉村さんが具合悪いそうでーす。」 と叫んだ。 吉村。 吉村菜月。 周りの生徒は心配そうなというより、少し好奇とラッキーという顔でいた。 それはそうだろう。 「緊急に始業式を終わります。後は、担任の先生から話を聞いて下さい。」 何トカ指導の先生が言う。 こうなる事が、みんなには目に見えていたからだ。