潮の香り 私達は 海の音に誘われて 海岸線に沿って 歩いた 「志緒ちゃん、良い?」 コンコンてノックがかかって、お母さんの声がした。 ドアが開く。 「何?」 私は回転椅子をくるりとまわして、お母さんの方を向く。 「あのね…。」