長かったテスト期間が終わり、町にも冬の兆しが見えて来た。

「寒い!寒いぞ!」

狩野の横で倉崎が叫ぶ。

「うるせぇ!よけい寒くなるだろうが!」
「ちょ!もう無理だ!なにか暖かいもの食べてくる!」
「行ってこい。死ぬほど温まってこい」

倉崎は近くの料理店の中に入っていった。

狩野は自分の家へ急ぐ。

「う〜…寒い寒い…」

狩野は部屋に入ると真っ先に暖房機具をつける。
徐々に体が温まってくる。

「おっと、ポストポスト」

狩野はポストから何枚かの紙を取り出す。

料金明細表。
引越のお知らせ。

そして、一通の手紙。
差出人は由井と書いてある。

狩野は不思議になり、手紙を開けてみる。