「それより、今日は久々に放課後練習するぜ?いつものトコに集合だからな?」

朱月はやっと私から離れ、紙をズボンのポケットに仕舞いこんだ。

「お前ら、大丈夫だろ?」


「ああ、問題ない」


「当然だろ!おっし!早速アレンジするぜ。早く放課後になんねぇかなぁ…」


「張り切ってんな。じゃぁ天音、響(ヒビキ)にはお前から伝えとけよ?」


「えー?」

私は、朱月を見上げて首を振った。

「嫌だよ、2年のあたしが、何で1年の校舎に行かなきゃなんないの?」


「響はお前の弟だろ?」


「関係なくない!?それに‥行くと絶対にジロジロ見られて気分悪いんだもん…」


「あぁ、『あれが響くんのお姉さんなの?』ってか?今更だろ?気にすんな」


意地悪く笑う朱月に殺意が芽生える。

手をグーにして、思いっきり朱月のお腹を殴ってやった。


「いってーな!」


「自業自得でしょ!」


「お前、女じゃねぇ!」


「何ですって!?」


「柳、私の天音を苛めるなんて‥血を見たいってことかしら?」

星は後ろから私に抱きつき、振り向いた私に綺麗な笑顔を見せた。

「天音も少し落ち着いて。私が一緒に行ってあげるから、それならいいでしょ?ね?」