こんなことされたら、自惚れてしまう。


でも理由は聞かない。


待つって決めたから。


「たく?」


でも、せっかく2人きりに慣れたし。


ちょっといじめよ。


「お姫様、俺と一緒に踊ってくれませんか?」


「は?」


たくの言葉に固まる。


「なんで?」


「ドレスだし?俺、野獣役するから。」


「踊ったことないよ。」


「俺に任せろ。・・いいだろ?」


たくから離れる。


嫌とは言わせないその目。


たくはずるい。


「一緒に踊ってください。」


たくが手を差し出す。


私はためらうことなく、その手に自分の手をのせた。