「美雪、うるさい」 「‥?」 私は何が?と思い、榎月の方に顔を向けた。 「1人でブツブツ、うるさい」 そんなうるさかったかな。 「ごめんごめん」 「いつも何見てんだよ」 「ん〜?‥鳥だよ」 「鳥?」 「そう、鳥。」 「なんで鳥なんか──『藤井、今村。うるさいぞ』 社会の先生が私たちを睨んだ。 「すいませーん」 榎月が軽く謝るところを私は何も言わずまた窓の外に目を向けた。 _