トウサの王太子、シオンがやって来て一週間が経った。


その間、これといった事件も無く(リーフとシオンはフィリアに対して、お互い競い合っていたが)平穏な日々を過ごした。



今日も何故この様な事になったかわからないが、剣で勝負すると言うのでバルドとフィリアは渋々準備をしていた。



『ねぇバルド、何であの二人はこんなに勝負好きなの?』


『………』


問いかけてきたフィリアに、『二人ともお前に惚れているからな。はっはっは』などと言えるはずも無く。

バルドは取りあえず沈黙した。

フィリアは首を傾げ、その後ハッと顔を上げた。


『喧嘩するほど仲が良い、ってこと?』


『いや、それは…』


『違うの?』


『………………………そうかもしれないな』


バルドはそれしか言えなかった。
まぁ仕方がない。