季節は春。
辺りは桜に囲まれていて桜が風に舞っている。
「綺麗だな…。」
俺は1人ボソッっと呟いた。
今から俺、高居 椿は親友である久保 政史に会いに行くのだ。
会いに…というか病院に見舞いをしに…。
あのバカ政史は桜の木に登って落ち、足を骨折したのだ。
俺達2人は現在日本にあるK大学に通っている。
ごく普通の学力の大学だ。
政史とは中学からの付き合いでかれこれ10年近くの付き合いだ。
俺は、他の男子と比べると背も高いし顔立ちも結構整ってたりする。
髪は少し長めで癖があり黒髪。
政史は俺よりも背が低く、髪はスポーツ刈りだ。
政史は背が低いのを気にしているみたいでいつも俺に
「背が高くて美形だとモテて羨ましい。」
と、「美形」という言葉までつけて言ってくる。
確かに俺は女に困ったことはないし、今現在彼女もいる。
だが俺は決してその彼女を愛しているわけではない…。
まだ恋をしたことがないのだ。
「相手が告白してきたら付き合う。」
断る理由もないので俺はいつも告白をOKしている。
よく「恋していて毎日が輝いている」なんて事言うやつがいるけど、
俺には到底理解できないわけで…。
恋していなくたって毎日は楽しいと思うんだけどな…。
だから俺はこれからも恋はしないつもりでいた。
そう。恋はしない…いや、一生できないと思っていた。
だが俺はこれから行く病院で運命の出会いを果たしてしまうのだ…。