君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「里穂ちゃん」


「あっ、おばさん」


スタンドで他の部員と座って試合開始を待っていると、修斗のお母さんが姿を現した。


「今日は隼斗君も一緒なんだ」


「たまたま部活なかったし」


「そっか。てか、また大きくなった?」


「まあ。伸びたよ身長」


隼斗君は修斗と同じくらい身長がある。


中1でだよ。


びっくりだし。


「あっ二人とも、こっちに座って」


私の右隣がちょうど二つ空いてたから、おばさんと隼斗君に座ってもらった。


おばさんはよく修斗や隼斗君の試合を見に来る。


それが楽しみの一つなんだって。


ふわっとした雰囲気を持ったおばさんが、私は大好き。