「着てろ」


バサッと私に、修斗が普段着ているジャージをかけてくれた。


袖を通すと、ブカブカ。


でも修斗の匂いがして、ちょっとドキドキした。


「俺、着替えるから」


「あっうん」


私は慌てて、修斗に背を向ける。


修斗のジャージ、後ろで着替えをしてると思うと、必要以上に心臓がバクバクいってた。


「帰るぞ」


部室のドアを開くと、雨がやんでた。


「なんだ、通り雨かよ」


ボソッと修斗が呟いて、外に出た。


「自転車取ってくるから、門の外で待ってろ」


「うん」


修斗は自転車置き場、私は正門に向かって歩き出す。