「痛いってば」


「我慢しろ。風邪引く」


「自分で出来るし、修斗だって、濡れてるじゃん」


「うるさい。俺はお前とは身体の作りが違うんだよ」


髪長いとか、俺に付き合うなとか、ブチブチ文句を言いながらも、修斗は私の髪を拭き続ける。


嫌な気はしなかった。


タオル越しに伝わる修斗の手のぬくもり。


なんだか嬉しかった。


「里穂、俺・・・」


「ん?」


タオルで目が隠れて修斗の表情は見えないけど、修斗が私に話しかけた。


「俺、絶対決勝行く」


「うん」


「決勝で、あいつら倒して全国行くから」


「うん」