君の隣~サッカーボールを追いかけて~

悔しくて、悔しくて、たまらなかったんだよね。


がむしゃらにシュートを打つ修斗。


悔しさを、ボールを蹴ることで晴らしてるみたいだった。


「おーやってんねぇ」


一人ポツンと修斗を見つめてた私の隣に、田中先生が現れた。


「田中先生・・・」


「あんま無理すんなって言っといて」


「はい」


「それから、雨降りそうだから早めに帰ること」


「雨?」


空を見上げると、厚い黒い雲に覆われていた。


「じゃ、よろしく」


それだけ言うと、田中先生は職員室に戻って行った。


「あんなに晴れてたのに」


空が暗くなったのは、夜が近づいてるからだと思った。