君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「絶対勝てるもん」


そんな声を払いのけるように、小さくつぶやく。


その声が届いたのか、翼部長が1点を決めた。


選手やその他の部員、見ていた人たちが翼部長の得点盛り上がる。


でも結局後半相手に2点決められ、この試合は3-0で負けてしまった。


みんながっくり肩を落として、ベンチに戻ってくる。


「やっぱ無理か」


試合を見ていた誰かがそう呟いて、校舎に戻って行った。


「ムカつく」


「里穂先輩?」


小さく呟いた声が、優実ちゃんに聞こえてしまったみたいだ。


ちょっと不安そうな顔をして、私を見てる。


「ごめん、なんでもない」


笑顔でそう言って、ベンチに向かって歩き出した。


その後を、優実ちゃんが追って来る。