君の隣~サッカーボールを追いかけて~

危なかった~


相手のシュートは、ゴール左を抜けていった。


「心臓に悪いよ」


「ほんとですね」


優実ちゃんと二人で、苦笑い。


「あーやばい!」


相手チームのパスがつながる。


相手フォワードが放ったシュートが、玉木先輩の手をかすめてゴールに吸い込まれた。


ベンチからは、大きなため息。


「やっぱ勝てないよな」


ベンチの近くで試合を見ていた、うちの学校の生徒がそう呟いた。


「あーあ」


「なんかがっくり」


「勝てないんじゃない?」


女の子の声で、そんな声も聞こえてくる。