アップをしてる修斗の横を通る。


「里穂」


「ん?」


修斗に呼び止められた。


「今日はボーっと突っ立ってんなよ」


「えっ?」


「俺助けてやれねえからな。試合出てるし」


そう言うと、ダッシュを始めた。


「今日はちゃんとよけるもん」


この前の練習試合のとき、飛んでくるボールをよけることが出来なくて修斗に守られたことを思い出した。


「やだ」


思い出しただけで、顔が熱くなる。


あのとき少しだけ、修斗に抱きしめられた。


がっちりした身体。


なんか、成長した男を見せられた感じがした。