そう言えば、昔も泣きそうになってる私によく手を差し出してくれたっけ。


暗いのが怖いって言ってる私に。


最近手をつないだのは、いつだったけ?


思い出せないほど昔のことだったっけ?


「帰らないのか?」


「帰る」


差し出された手を、恐る恐る握った。


すごく懐かしい感覚に襲われる。


「手つなぐの、いつぶりかな?」


「さぁな。ちっこい手」


私の手は、修斗の手ですっぽり包まれた。


「たまにはいいんじゃないの。昔に戻ってみるのも」


「うん」


照れくさいのか、修斗が私から顔をそむけた。


その顔には、赤みが帯びてる。