近所の犬が、キャンキャンと吠えてる。


「怖いよ~」


私は自分のかばんをギュっと握りしめた。


なぜか暗闇が苦手な私。


「修斗」


小さく呟いた。


「たく、お前はほんとに変わってないな」


目の前に、ボールを抱えた修斗の姿。


「涙目」


「だって怖いもん」


自分でも、目の奥から涙がじわじわ~って湧き出てくるのを感じた。


修斗が自分のバックに、サッカーボールをしまった。


「帰るぞ」


そう言って差し出されたのは、修斗の左手。


また私の記憶が、フラッシュバックした。