「そうみたいだな。なに?陽介振って後悔した?」


「するわけないじゃん。私は修斗が一番だもん」


新聞をバサっと閉じて元の位置に戻し、修斗の腕に自分の腕を絡める。


「おまっ、学校で何すんだよ」


「いいじゃん別に。誰もいないよ」


修斗が赤い顔をしながらはぁ~とため息をつき、それでも私の腕を剥がすことはしないで歩き出した。


「ねえ、修斗」


「ん?」


「この制服着るのも、あと少しだね」


「そうだな」


冬は夜が来るのが早い。


もう少し日が落ちてきた道を、二人手をつないで歩いた。


4日後、修斗にもらった飴のおかげか風邪がひどくなることはなく、私はセンター試験を受けた。


電車に乗って、試験会場になってる大学に入る。


近隣の高校が集まっているだけあって、ものすごい人数だった。