「りんごの飴?」


100パーセントのりんごジュースを飲んでるような、とっても濃いりんごの味がした。


「りんごののど飴だってよ。母さんがコンビニで見つけて、里穂にって」


そう言ってスティックタイプの飴を差し出された。


「もらっていいの?」


「里穂にって言ってんだから、受け取れよ」


「うん」


手を差し出すと、ぽてっと飴が落ちてきた。


「今日は早く寝るんだな」


「やだ。勉強するんだもん」


「ダメだよ、里穂。本格的に風邪引いたらやばいよ」


綾香にまでそう言われてしまった。


「うん」


でも最後まで勉強したいじゃん。


今度は私が頑張る番なんだから。