君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「綾香ったら」


苦笑いを浮かべながら、ふわふわ揺れる巻き髪を見送った。


選手がピッチに戻ってくる。


残り40分、相手のキックオフで試合が再開された。


時間がたつに連れて、どんどんうちのチームのペースになっていく。


修斗も絶好調。


ドリブルで相手をどんどん抜いていく。


「行け!」


選手の動きがよくなると、自然に応援の声も大きくなる。


ゴール約15メートル前、修斗がボールを放った。


「入った!」


綺麗な弧を描いたボールは、キーパーに触れられることなくゴール右隅に収まった。


響く吹奏楽の音に、一段と増した応援の声。


ピッチの上では、選手に囲まれ喜んでいる修斗の姿があった。


「あと少しだよ」