「それより、修斗君大学受かったんだってね?」


「はっ?誰から・・・」


言葉の終わりと共に修斗の視線が私に突き刺さる。


ハハッと笑って見せたけど睨まれるような視線に耐えきれなくなって、修斗の傍を離れて背の高い安藤さんの後ろに隠れそこから顔だけを出して、だってと言い訳をしてみる。


「だって、安藤さんが修斗のことでおもしろい情報ない?って聞くんだもん」


「俺が大学受かったのがおもしろいってか?」


この予選をやってる間に、修斗は第一希望の大学の受験にも望んでいた。


もちろんスポーツ推薦で。


サッカーの実技試験と、面接、学力調査の3つをクリアーした修斗は、晴れて春から通う大学を決めた。


センター試験から受験が始まる私からしたら、羨ましい限り。


「おもしろいなんて言ってないじゃん。ちょっと羨ましいけど」


もうセンター試験まで1ヶ月とちょっとしか残ってないし、学年の中でも進学先が決まった人が何人もいて、たまにどうしようって不安になるときがある。


それでも苦手な英語が、最近では苦手だって思わなくなってきた。


「別に羨ましいとか思う必要ないんじゃないか?だって俺と里穂じゃ、目標が違うわけだし」


「そうだよね」