「今日は何点決める予定?」


「3点以上だな」


バサっと私にジャージを投げると、修斗はアップをしに芝の上に出て行ってしまった。


それからしばらくたって、試合開始のホイッスルが鳴らされた。


今日は学校の近くの競技場で行われるとあって、部員の保護者の方も多く来ている。


試合が開始されてすぐ、パスをもらった修斗が上手くボールをトラップし、そのままドリブルで相手をかわしていく。


「あっ!」


キーパーまでかわし、あとはゴールに向かってボールを流し込むだけだった。


「やった、ゴールだ!」


前半の早い時間帯での先制。


その後修斗のフリーキックが決まり、前半は2-0で終了した。


ハーフタイムが終わり、後半が始まる。


後半はラストパスに精度を欠き、攻めても攻めても点が入らない展開が続いていた。


点が入らないもどかしさからか、修斗の声がピッチ中に響く。


後半終了間際に放った修斗のフリーキックも、ゴールを大きくそれていった。