君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「俺、またサッカーやらせてもらえますか?」


不安そうな顔をして、桜井君が修斗の様子をうかがう。


「当たり前だろ?」


修斗から返って来た声は、少し呆れたでもそれでいてホッとしたような声だった。


「でも、タバコ吸った理由、俺たちには話してくれるよな?」


「はい」


ポツリポツリと、桜井君が話し出す。


「2年前、母親が癌になりました。そのときは、手術をして良くなったんです」


それは、初めて聞く事実。


「でも今年の夏の初めに、再発してることが分かって・・・」


そこで言葉が切れて、桜井君がゴクンと唾を飲み込む。


「父親には、覚悟しとけって言われました。今回は、助からないかもしれないって」


桜井君の表情が、だんだん曇っていく。


「俺、そのときからサッカーに集中出来なくなって。サッカーだけじゃなくて、何をやってもダメで。そんなんだから、ポディションも奪われて・・・」


「桜井・・・」