君の隣~サッカーボールを追いかけて~

部長だから、キャプテンだから、常に周りに目を向け部員全員がサッカーに集中出来るように気を配って来た修斗。


メンバー落ちした部員がどうせ俺なんかと腐らずに部活をやってこれたのは、修斗がそういう部員たちにしっかり声をかけこうしたらいいとアドバイスをしてきたから。


みんな、修斗の声に背中に引っ張られてここまで来た。


だから今回の桜井君のことは残念だけど、決して修斗のせいではない。


「修斗はいっぱい頑張ってるよ」


普段あまり見せない辛そうな修斗の顔が笑顔になるようにと、背中に回した腕に力を込めた。


タバコ事件は驚くほどの速さで学校中に広まった。


サッカー部のことは、小さな記事だったけど地元の新聞のスポーツ欄にも載ってしまった。


部員一人がタバコを吸い一ヶ月間の対外試合禁止、選手権の県大会の出場には問題ないと。


「ちゃんと集中しろ!」


修斗の声が、放課後のグランドに響く。


生徒の中には、帰り際にサッカー部をちらちらと見て行く人もいる。


今までもちらちらと見て行く人はいたけど、それは総体優勝といい結果を残してすごいねという目だった。


でも今は、タバコなんかやって、期待を裏切られたって感じの目を向けられてる。


しょうがないけど、気持ちのいいものじゃない。