君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「たく、一回だからな」


スルスルとボールを進め、修斗が放ったボールはゴールネットを揺らした。


「わーすごい。私もやりたい」


「無理無理。てか制服汚れるからやめろ」


ボールを蹴りながら、修斗が私に近づいてくる。


「里穂」


「ん?」


「俺、気づいてやれなかったのかな?桜井の何かに」


「そんなことないよ、修斗」


修斗の背中に手を回す。


動いて熱くなった修斗の体温と、動いていなくて少し冷たくなった私の体温が混じり合って、ちょうどいい温度になる。


「修斗は部長もキャプテンもちゃんとやってた。自分を責める必要はないよ。それに、これからが大切でしょ?」


「そうだな」


「選手権、優勝しようね」


「ああ」