君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「話したくないなら話さなくていい、桜井」


「修斗さん」


「でもお前、本当にこのままでいいのか?サッカーやめて」


修斗の言葉に、桜井君が黙る。


「もしお前が本当に悪いと思ってるなら、やめるんじゃなくて誰よりも一生懸命サッカーやれよ!お前なら出来ると思うけど?」


帰るぞと言って、修斗は私の顔を覗き込んできた。


そのまま荷物を持った修斗は、私の手を引いて桜井君の家を出た。


「ごめん、修斗。私、なんか・・・」


「別にいい。里穂の言ったことは間違ってないと思う」


「うん」


「でも叩くのはなしだよな。まっ、里穂に叩かれても痛くないと思うけど」


「そうかな?」


「猫パンチレベル」


「猫パンチ・・・」


自分の手を見つめていると隣で修斗が笑うから、なんだか私も可笑しくなって少しだけ笑った。