君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「ここだな」


「うん」


桜井君のタバコ事件発覚の次の日、部活を休んだ私と修斗は桜井君の家を訪ねていた。


山田先生に聞いた地図を頼りに、ひと駅電車に揺られ歩くこと10分。


辿りついた場所は、高級そうなマンション。


「居るよね?」


「謹慎中なんだから居るだろ。居なかったら、退学だな」


「だよね」


4階まで上がって、桜井と書かれたドアのチャイムを押す。


しばらくすると、インターホンからはいと桜井君の声がした。


修斗が名前を告げると、開けますといつもより数段暗い声が返ってきた。


「突然悪い」


「いえ」


1日中その恰好をしていたのか、中から出てきた桜井君はスエット姿で顔もなんだか疲れていた。


どうぞと言って、部屋の中に案内してくれる。