君の隣~サッカーボールを追いかけて~

高校サッカーのお手本にならないといけないチームが、こんなことを起こした。


厳しい罰だって、受け入れなくてはいけない。


「さっき、処分の内容が決まった」


思わず耳を塞ぎたくなったけど、そうもいかない。


覚悟を決めて、山田先生を見つめ返す。


「処分は、一ヶ月間の対外試合禁止」


「選手権は?」


慌てた声で、修斗が聞き返す。


「それは大丈夫だ。選手権は出れる」


「そうですか」


一ヶ月間の対外試合禁止。


それは、一ヶ月後に選手権の二次予選を控えた私たちには相当厳しいものだった。


練習試合が出来なければ自分たちの力を試せないし、何より一か月の間に試合感覚を忘れてしまう可能性もある。


「修斗・・・」


修斗を見た私の顔がそんなに不安そうな顔をしていたのか、少し笑った修斗は先生に分からないように私の手を握ってくれた。