「だったらよけろ」


「ボールの落下点がわかんないの」


「マジで?」


「うん」


「はぁ~」


修斗が片手で、自分の顔を覆った。


「そんなに鈍いとは思わなかった」


「なっ、鈍いって言わないでよ」


「うるさい。鈍いやつに、鈍いって言って何が悪いんだよ」


またいつもの言い合いが始まってしまった。


「お前、俺がいなかったら怪我ばっかしてるぞ」


「うっ・・・」


確かに、それはあるかも。


いつも何かある寸前で、修斗に助けられてる。


例えば階段から落ちそうになるのを、助けてもらったり。