「誰とタバコを吸ったんですか?」


最初に口を開いたのは、修斗だった。


「2年生数人とだ」


「桜井以外に、サッカー部の奴は?」


「いない」


「そうですか」


修斗の顔に、少しだけホッとしたような感じが広がる。


「処分は、どうなったんですか?」


「吸った奴全員、一週間の謹慎」


山田先生の目が、私たち二人を捕える。


「これは隠し通せないことだ。すでに、県のサッカー協会に連絡を入れた。後でゴタゴタするのも嫌だからな」


「はい」


連絡を入れたってことは、何らかの処分があるってことだよね。


吸ったのは桜井君本人。


でもその桜井君がサッカー部に属していて、法律で決まっていることを破った罪は連帯責任を負わなければいけない。


それがチームスポーツ、特にうちのチームは総体で優勝して全国でも名を知られているから。