「約束だからね」


小指を突き出すと、いつもは嫌がる修斗が私の小指に自分の小指を絡ませてきた。


「今度こそ、約束だよ」


「ああ」


「プロになれるとか関係なくさ、自分が成長出来るように練習に参加して来てね」


「わかった」


「チャンスは、自分のものにした人勝ちでしょ?」


「そうだな」


迷うことは誰でもある。


迷ってどうしようもないとき、一歩背中を押してくれる誰かがいる。


苦しいとき、話を聞いてくれる誰かがいる。


私が修斗を守ってるって言ってくれたけど、そんなことないよ。


私なんて、まだまだ修斗に守られてばっかり。


でも修斗の背中を押せる一人になりたい。


このときそう思ったんだ。