君の隣~サッカーボールを追いかけて~

「あのね里穂。何が問題かってね、天然ってのがいけないのよ」


「私、天然なのかな?」


「無自覚は罪なの、罪!」


綾香に言われても、どうもしっくりこない。


たとえ上目づかいになってるとしたら、それは修斗の方が背が大きいから自然に首を上げる形になって、そう見えるだけだと思うし。


「わかんないけど、気をつけるね」


「はぁ~ダメだこれは」


綾香がまたため息をつく隣で、修斗と吉井君は同じように苦笑いをしてた。


放課後になり3年生のほとんどが補習授業に出る中、修斗と二人で部活に向かう。


「選手権予選って、二次予選から出るの?」


「ああ。総体出たから、一次はシード」


「そっか」


階段を二人で降りていると、バタバタと上から急いで階段を降りてくる音がした。


思わず右側を歩いてた修斗の方に身体を寄せる。


かなり急いでる様子で、上から降りてきた男子はさっさと私たちの前を通り過ぎた。